2022/3/6
No.89
S.ラフマニノフ ケルビムの歌(天使の歌)
「聖金口 イオアン聖体礼儀」作品31 より
S.Rachmaninov Cherubic Hymn
チェロ八重奏 Cello Octet
2021/5/9 にNo.59の番号でアップしたのがP.チャイコフスキー作曲の「ケルビムの歌」です。S.ラフマニノフは恐らくチャイコフスキーの作品に影響を受けて、この同名の作品「聖金口
イオアン聖体礼儀」を作曲しました。東方正教会もしくはギリシャ正教会の儀式の際に歌われる聖歌の1つがケルビムの歌です。ケルビムとは天使のことですが(ヘルヴィムという新しい読み方あり)、「天使の歌」というタイトルで無伴奏混成合唱曲「聖金口
イオアン聖体礼儀」(もしくは古い言い方で「聖ヨハネ・クリュソストモスの典礼」)の第7曲に収められています。この作品は無伴奏で歌われる混声合唱のための作品で、儀式の音楽として実際に演奏されることもありますが基本的には演奏会などで歌われる作品です。ラフマニノフという作曲家も、母国ロシアで1917年に起きた10月革命の際に国外へ出て、翌年アメリカへ渡ることとなり、アメリカで亡くなるまで祖国に帰れなかった芸術家でした。現在も変わらず、芸術家が戦争や政治的な事柄に翻弄されてきたのがロシアの歴史です。